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『イリアス』第二十一歌より

登録 タグ *アクリル絵の具 *ギリシャ神話
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投稿日時
2019-11-28 04:03:51

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檸檬 絵郎

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投稿者コメント
またこの題材です。
ホメロス『イリアス』より、神々がトロイア方・ギリシャ方に分かれて神々が戦う一連のシーン。

まず、左下。トロイアの河神スカマンドロスを炎でもって責める、ギリシャ方のヘパイストス。河ですから、干あがっちまうんですね。
で、右上。ギリシャ方の女神アテナに槍を飛ばしたトロイア方の軍神アレス、しかし攻撃は防がれ、首のところに岩を投げ当てられて返り討ちに。アレスの愛人女神アプロディテが倒れた彼を連れ帰ろうとするが、追ってきたアテナに胸を一発ぶたれて、彼女も倒されてしまうんですね。
で、中央。トロイア方の狩りの女神アルテミスが、ギリシャ方の女神ヘラに打ちのめされています。事の発端は左側、トロイア方のアポロンが、ギリシャ方のポセイドンの誘いに乗らず、戦わなかった。これを妹であるアルテミスが詰ったところ、ヘラの怒りに触れて、弓の弦を取られてフルボッコに。(私の絵では、アポロンがアルテミスを助けたがるのを、ポセイドンが「やめとけ」となだめているって構図です。だって、話の通りだと、アポロンがあまりにも薄情じゃないですか……)
そして、そばにいるのはアポロン・アルテミス兄妹の母、レト。娘がヘラにやられた後、彼女はギリシャ方のヘルメス(ヘラの背後の空に小さく描いたやつ)と戦うはずだったんだけど、彼は戦おうとしなかった。「帰って他の神々にさ、ヘルメスの野郎をぶっ飛ばしてやったって自慢しなよ」だってさ。で、仕方なしに、娘の落としていった矢を拾って帰るっていう。
この神々の戦いのようすを楽しく観戦しているのが、左上の主神ゼウス。で、激しい戦いで揺れる地面の下で怯えているのが、冥神ハデス。右下のやつですね。(番犬ケルベロスちゃんも描きました。)


     
余談ですが……
レトってさ、ヘシオドスの『神統記』では、黒衣って表現があるのね。でも、「レト/絵画」で検索しても、黒衣で描かれているのなんて出てこなくてw
ポセイドンにしても、『イリアス』では黒髪ってことになっているけど、じっさい白髪で描かれてたりするものね…… ^^;
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